今回出品するDIETZスケーターズランタンは大きく2種類あり、1920〜1923年製造はscout、1923〜1944年はハンダ付け工程を減らし生産効率を多少高めたsportと呼ばれています。今回出品する品物はタンクの真鍮留め具が特徴的な前期のscoutです。残念ながらコールマンランタンとは異なり製造年月の刻印はございません。オイルランタンの中でも非常にコンパクトで、バイクなど軽装備重視の際も容易に持ち運ぶことができます。本機はサンドブラストで錆び取り後スチール製アンティークの保存によく用いられる黒錆び加工を施してありますので、これからも永きに渡りご使用頂く事ができます。表面には薄く赤錆びが出てきますが、蜜蝋などを塗ることで再度渋く黒光りします。オリジナルのグローブを固定するワイヤーフックや、タンク装着の閉まり具合もしっかりしてぐらつきはありません。タンク底の脇に一部凹みがありますが(写真8枚目下)座りには干渉せず床置きしてもグラつきはありません。タンク素材の厚みが薄いため経年劣化によりオイルがリークするものが多く出回っています。本機は出品に当たりウィック装着しオイルを入れ点火写真を撮った後一晩新聞の上に置いてリークが無いことを確認しました。さらに黒錆び加工の状態確認の為オイルを入れた状態のまま3ヶ月ほど置いてもリークは見られませんでした。ウィックの上げ下げも非常にスムーズです。グローブはオリジナルで上下の縁に欠けがありますが厚みのある丈夫なガラスゆえ使用には全く影響はありません。オイルタンクを回し取り付ける際、片側の真鍮留め具が少し浮いていますが9枚目右側写真の様に指で押さえながら締めると浮き無く収まります。(指で押さえる際、針の様なバリがありますので要注意)100年近く前の品物ですが保管条件が良かったのか大変良い状態のランタンです。とはいえ何人かのオーナーの手に渡った品ですのであくまでも写真を見てご判断下さい。15センチほど新品のウィックをお付けしていますのでお手元に届きオイルを入れたら直ぐに使用する事ができます。古き良きアメリカの時代に富裕層が冬場出来る天然のアイススケート場で荷物置き場の目印として、また手に取って使用していた実機です。オールドランタンを灯す事で、釣りやキャンプの雰囲気を高めて新たな時を刻んで頂くことを願っています